Competition Law at a Glance

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特別号 – 2014 年 4 月
ブラジル競争法
M&A 及びジョイントベンチャーの届出
本号は、2012 年 5 月 29 日に施行されたブラジル競争法(2011 年法律第 12,529 号)及び CADE(経済擁
護行政委員会)の決議の主要な点、特に経済「集中行為」と呼ばれる M&A 及びジョイントベンチャーの審
査について、Q&A の形で概観するものです。
2011年法律第12,529
CADE が経済「集中行為」の調査、審査及び最終承認について、全
号及びその規制の ての責任を担う。
執行機関は何か?
は以下の部署から構成される。
(i)
総監督局 ( Superintendência-Geral ): 全ての取引の審査
を行う部署であり、簡易な取引(上訴された場合、裁定評議会によ
る審査の対象となる)を承認したり、複雑な取引について裁定評議
会に質問を提出したりすることができる。
(ii)
裁定評議会(Tribunal Administrativo): CADEの最終決定
部署であり、CADEの最終決定について責任を負う部署である(総
監督局により直接承認される簡易な取引は除く)。
(iii)
経済調査部 ( Departamento de Estudos Econômicos ):
チーフエコノミストが率いる部署であり、他部署の要請に基づき集
中行為の経済分析を行う。
(iv)
検察局 ( Procuradoria Geral) : 司法手続において CADEを
代理するとともに、他部署の要請に基づき集中行為の届出の法的論
点の確認業務を行う。
CADE
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特別号 – 2014 年 4 月
どのような種類の 集中行為は以下の場合に生じる。 (i) 二社以上の独立した企業が合
取引が経済「集中行 併する場合、(ii) 一社又はそれ以上の企業が直接又は間接に他の企
為」に当たるか? 業の資産若しくは支配権その他一定の持分を取得する場合、(iii) あ
新競争法上の合併等
審査に関する
基準値は?
る企業が他企業を完全子会社化する場合、又は、(iv) 二社以上の企
業がジョイント・ベンチャー若しくはコンソーシアムを形成し、
若しくは「企業結合契約」*を締結する場合。
* CADEは、 2014年上期に、 CADEへの届出義務の観点から「企業
結合契約」に該当する契約のタイプを定義する新たな規制を制定す
る予定である。
以下の場合、集中行為はCADEへの届出義務の対象となる。
(i)
取引の当事者の属する「経済グループ」のうち少なくとも1
つにおける、取引の直近事業年度におけるブラジルでの収益ないし
事業規模が750百万レアル以上であり、
かつ、
取引の当事者の属する「経済グループ」うち少なくとも他
の つにおける、取引の直近事業年度におけるブラジルでの収益な
いし事業規模が75百万レアル以上である場合。
収益基準は変更され 収益基準値は、CADEの総会の発議により、財務省及び法務省が共
得るか?
同で発令する省令によって変更されることがありうる。
なお、2012年省間令第994号によって、新競争法で当初定められて
いた額である400百万レアルと30百万レアルの各基準値が変更され
ている。
CADEは「経済グルー 示している。 2012年 CADE決議第 2号によれば、集中行為届出の判
プ」の定義に関して 断のための「経済グループ」の定義は以下を含む。
ガイドラインを
示しているか?
(i)
共通の支配下にある企業;及び
(ii)
直接又は間接に資本又は議決権付資本の20%超を保有され
ている他の企業。
(ii)
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特別号 – 2014 年 4 月
投資ファンドについ 2012 年 CADE 決議第 2 号は、投資ファンドの「経済グループ」の
て、「経済グルー 定義(及び収益の計算)に当たっては、以下の事項を総合的に考慮
プ」の定義は
すべきことを示している。
どうなるか?
(i)
共通管理下にあるファンド
ファンドマネージャー
関与するファンドの少なくとも1つについて、20%超の持分
を直接又は間接に保有する者
(iv)
ファンドが直接又は間接に保有する持分が資本又は議決権
付資本の20%超であるポートフォリオ会社
* CADE は、 2014 年上期に、投資ファンドに関して「経済グルー
プ」の新たな定義を規定する新たな規制を制定する予定である。
届出義務が免除され 2012年CADE決議第2号は、少数持分の取得に関する一定の“デ・ミ
る場合は
ニミス”免除ルールについて規定している。要件は、基本的に、取
存在するか?
得されるパーセンテージ及び当事会社の事業活動に水平的又は垂直
的な関係が重複が存在するかによることになる。
そのほか、直接又は間接に政府が実行する入札や競売への参加及び
そこから生じる契約に該当する場合には、これに基づくジョイント
ベンチャーやコンソーシアム、又は企業結合契約は届出義務がある
行為に該当しない。
国外企業間のM&A 当該国外企業に関係する「経済グループ」のブラジルでの収益が上
は、CADEに届け出る 記収益基準に該当する場合、国外企業間のM&Aは、CADEに対し届
必要があるか?
け出る必要がある。
いつ届出を行う必要 届出期間の始期は法律で定められていない。2012年CADE決議第1
があるか?事前届出 号は、届出は、法的拘束力のある契約書の締結後に行われることが
が必要か?
望ましいが、取引に関する何らかの行為を実行する前に行わなけれ
ばならないと定めている。すなわち、ブラジルの現行制度上、事前
届出が必要である。
登録費用を支払う 当事者は、45千レアルの登録費用を支払わなければならない。
(ii)
(iii)
必要があるか?
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特別号 – 2014 年 4 月
に対する届出義
務を負う主体は
何か?
待機期間は何日間
待機期間は何日間
か?CADEによる承認
までの間、取引は
実行してはならない
か?
CADE
取引の当事者すべてがCADEへの届出義務を負っており、規制によ
れば、取引のすべての当事者により共同届出を行うことが望まし
い。
待機期間は、CADE に対する届出が完了したと認められる日から最
高 240 日である。この期間は、当事者の申出により 60 日間、又
は、裁定評議会の根拠ある決定により 90 日間、さらに延長するこ
とができる。
年 5 月から現在までの間に迅速手続(競争保護の観点から
複雑さの低い取引に適用される)で審査された案件については、
CADE は 30 日未満で決定を出している。
CADEの承認前にクロ 集中行為は、 CADEによる承認までの間実行してはならず、この違
ージングその他取引 反に対する罰則として、(i) 取引の無効、(ii) 60千レアルから60百万
(iii) 審査期間中に生じた可能性
実行の手続(「ガ
実行の手続(「ガ レアルの範囲で課される罰金、及び
がある反競争的な効果を調査するための行政手続の開始、が挙げら
ン・ジャンピン
グ」)を行った場合
グ」)を行った場合 れる。
* 2012
の罰則にはどのよう
なものがあるか?
なものがあるか?
CADEの承認を取引実
行のための前提条件
として契約に定める
ことは必須か?
CADEが待機期間内に
が待機期間内に
当該取引についての
決定をしない場合、
どうなるか?
CADEの最終決定前
に、取引の一部の実
行の承認を申し入れ
ることはできるか?
必須ではない。CADE は、この問題に対し実質的なアプローチを取
っており、当事者は、承認前に取引を実行しないという法的義務を
遵守すれば足り、CADE の承認を取引実行の前提条件とする条項を
契約に規定することまでは要求されない。
年 CADE決議第 1号によれば、 CADEが待機期間内に決定を行
わない場合、取引は黙示に承認されたものとみなされ、当事者は当
該取引を実行することができる。
2012
できる。CADE は、当該取引の実行について、(必要な場合には)
取引を元に戻せるよう一定の条件を付して、場合により一時的に、
承認することができる。しかし、当該承認がなされるのは、待機期
間中に一時的な承認がされなかった場合、当事会社が重大かつ回復
不能な経済的損失を被るであろう非常に特殊な場合に限られる。
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特別号 – 2014 年 4 月
届出義務のある取引 CADEが、ある取引が届出義務の基準に達したが、適式に届出がな
されていないとの疑いをもった場合、総監督局は事実解明のため行
の届出をしない
CADEが届出義務の基
場合、どうなるか? 政手続を開始することができる。その結果、
準に実際に達したと判断した場合、当事者は取引を届け出るよう通
知されるとともに、上記のガン・ジャンピングに関する罰則の対象
となる。
CADEは届出義務の基 届出義務の基準に達していない場合であっても、 CADEは、当該取
準に達していない取 引実行後1年以内に、当事者に対し当該取引を届けることを要求す
引の届出を求める ることができる。
ことができるか
ことができるか?
CADEは簡易
は簡易な取引を
異なる方法で取り扱
うか?このことは取
引の届出準備及び関
連する事務にどのよ
うに影響するか?
簡易な案件の審査に対する迅速手続手続は、以下の場合に適用され
る:(i)伝統的ないし協調型ジョイントベンチャー、(ii)支配の
統合、(iii)市場参加者の交替、(iv)市場での低いマーケットシ
ェア(水平的な重複が20%未満、又は垂直的に統合される市場での
マーケットシェアが 20%未満)、及び( v) CADEの裁量によるそ
の他の場合。
迅速手続では、当事者は新届出様式の短縮版を提出することが求め
られる。但し、審査期間について異なる規定は存在しない。
* CADEは、 2014年上期に、迅速手続が利用できる場合を追加する
新たな規制を制定する予定である。
当事者は取引の届出 できる。当該取引が迅速手続の対象でない場合、疑問を明らかにす
前にCADEに事前相談 る目的で取引の届出前に総監督局に相談をすることができる。
をすることが
できるか?
当事者はいつ取引承
認のための合意を提
案することが
できるか?
当事者は裁定評議会
の決定について不服
の決定について不服
申立てができるか?
申立てができるか?
当事者は、取引の届出から総監督局による異議後 30日までの間に
合意(企業結合合意( Acordo em Controle de Concentrações ACC )を提案することができる(複雑取引として審理されるた
め、手続は裁定評議会に送付される)。
一般的には裁定評議会の最終決定後、その決定に関し、他の行政機
関に対して不服を申し立てることはできない。
もっとも、非常に特別な状況では、当事者はCADEに対して不服申
立てを行うことができる。
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特別号 – 2014 年 4 月
の決定は、ブラジルの裁判所で争うことができる。
株式の公開買付けはCADEの事前承認の対象ではないが、当該取引
について承認されるまで、取得されたエクイティ持分についての議
決権等は行使できない。完全な投資価値の保護のため必要な場合、
当事者の申出に基づきCADEは当該権利の行使を承認することでき
る。
届出後、総監督官は、官報( Diário Oficial da União - DOU) 上
で、当事者の名称、取引の種類、及び関連する事業分野を公表す
る。
他の手段を通して公開されていない場合、当事者の収益、取引関連
書類など一定の情報と書類について非開示とすること求めることが
できる。
CADE
株式公開買付けに対
する特別の規則はあ
るか?
手続は、どの程度開
示されるか?営業秘
密を含む事業関連情
報を開示から保護す
ることができるか?
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特別号 – 2014 年 4 月
は、ピネイロ・ネト法律事務所の競争法プラクティス・グループ
による発行物である。パートナーである Leonardo Peres da Rocha e Silva、Cristianne Saccab
Zarzur 、 José Alexandre Buaiz Neto 及び Renê G. S. Medrado 、カウンセルである Lilian
Barreira Spina、並びにアソシエイトである Fabricio A. Cardim de Almeida 及び Leda Batista da
Silva が本号の執筆に参加した。
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担当者及びお問い合せ先
競争法プラクティス・グループのパートナー
Rodrigo Carneiro de Oliveira
Leonardo Peres da Rocha e Silva
rcarneiro@pn.com.br
lrochaesilva@pn.com.br
T:+ 55-11-3247-8561
T:+ 55-61-3312-9488
Cristianne Saccab Zarzur
José Alexandre Buaiz Neto
czarzur@pn.com.br
jabuaizneto@pn.com.br
T:+ 55-11-3247-8631
T:+ 55-61-3312-9461
Renê G. S. Medrado
rmedrado@pn.com.br
T:+ 55-11-3247-8797
競争法グループのカウンセル
Lilian Barreira Spina
rbarreira@pn.com.br
T:+ 55-11-3247-8740
ジャパンデスク
Yuka Ono (大野友香)
大野友香)
yono@pn.com.br
T:+ 55-11-3247-8419
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